ザ・ニューヨークシティ・ウォーター・フォールズ

2008年6月、ニューヨーク市のイーストリバーに4つの人工の滝が出現した。

制作費約17億円
経済効果75億円以上
5 5 カ国・1 4 0 万人が目撃

約2年半、彼に密着したこのドキュメンタリーは、2006年2月、ニューヨーク市ランダルズ島から始まる。2008 年、約140万人が見たイースト川に巨大な人工滝を出現させた彼の代表作『ザ・ニューヨークシティ・ウォーター フォールズ』のロケーション探しが始まっていた。

船でイースト川を遡上しつつ、現地で地図を片手に入念な候補地チェックを進めるオラファー。ニューヨークで巨大なスケールの作品を作り上げることは、彼の悲願でもあった。彼は、空間を一つの大きな街のように見立て、その中に様々な物語を見出す。無数のストーリーが複雑に絡み合って混在するニューヨークという巨大な物語空間に、「ウォーターフォール」という新たなストーリーを付け加えることで、この街の歴史に新たな1ページを刻みたい。強い思いがあったーーー

このプロジェクトは、準備段階から困難を極めてきた。できるだけ鑑賞者に「リアルな滝としての質感を印象づけたい」とシミュレーションでの試行錯誤を重ねる中で、コンセプトのズレを根気よく修正していった。 ロケーションの選定でも、水深不足との戦い、自治体との調整など、予想外の問題にかなりの時間を費やした。ようやくプロジェクトが記者会見での正式発表にこぎつけられたのは、2008 年1月のことだった。イースト川を最初に下見した時から、約2年が経過していた。

2008 年6月26 日、いよいよ「ウォーターフォール」の正式なお披露目となった。最初の試運転で水が出ないという初歩的なトラブルにも見舞われたが、期間中は多数の鑑賞者で賑わう大盛況となった。映画では、様々な角度から4つの人工滝の迫力ある映像が楽しめる。遠目から見てもハッキリ見える巨大な人工滝は、インパクト絶大だ。人々は、風に揺られ、まるで生き物のように一瞬ごとに姿を変えて落下する水流を思い思いに見つめていた。オラファーは言う。水のしぶきや音を五感で感じ取ってほしいと。そうすることで、滝から落ちる水は、単なる景色ではなく、体感する物質になるのだ。「体感する”とは、環境に対する感度を上げるということです。手を濡らした感覚と濡らす想像とは違うように」。滝を見て、単に雄大だと感じるだけでなく、水の落下する「時間」や「空間」をリアルに想像することで、ニューヨークという巨大な街に紡ぎ出されるストーリーを体感してほしいのだと。

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